郷土料理の歳時記
困ったことですわ! 最近「おふくろの味」がお袋の味」になってしもてます!
おふくろの味の料理には、分量があらしません・・・・・言えへんのですわ。
何でかといいますと、おふくろの舌(した)加減(かげん)で決まります。それが「うちの家の味」なんですわ。
それが大きなって「ふるさと味・郷土の味」になるんとちがいますか?
「この料理の味はな、昔 法事や冠婚葬祭のとき手伝いに行って、そこで人生の先輩に、教わったもんですわ」。 「ちょっと、あんたこんなもんでよいやろか?」 「ええ! まだ薄い・・? 砂糖が足らん・・?」 「いやいや、おいしいわ。 ちょうどよい味やわ」 「ああ そうなんや! 隠し味に、これを入れるとおいしいんやね~ しらんかったわ~ 」などと、世間話をしながら 味見をし、舌加減で 見覚えで=伝承されてきたものです。
(奥谷喜美子)
食の安全が問われる今こそ、地産地消(地域でとれた穀類や野菜を使い、琵琶湖で捕れた魚を使いお母さんが料理をし、家族が一緒に食べる) ・・・ こんな安全ですばらしいことはありません。
昨今のお母さん(女性)は、大変多忙なライフスタイルになっています。
おふくろの料理は、確かにコトコト時間をかけてつくる。前日からの準備がある・下ごしらえがある・旬の時に収穫し、塩漬けなどで保存しておかねばならない・・・etc
おふくろの料理は決して高価ではありません。長年の経験と生活の知恵から工夫されているものです。 核家族化になり、各家庭で人生の先輩=お母さん・おばあちゃんから子や孫へという伝承ができなくなってきています。
ぜひとも、簡単なものから伝承していって頂きたいと強く願っております。