冬から春の郷土料理
雪が降り、野菜類も少ない季節。 そのような冬の食材にするための知恵が、昔から受け継がれています。夏の間に収穫した野菜類の保存方法(塩漬け・乾燥・酢漬けなど)生活の知恵から作られた食材は、その地方により工夫されていて「郷土の食材」として重宝がられています。 |
材料
イワシ 小8尾
うめぼし 4個
しょうが 一かけ
調味料
醤油 1/4カップ
酒 1/4カップ
砂糖 大さじ2
水 1カップ
作り方:
- イワシは頭を落として内臓を取り除き、水洗いして、水気をよく拭く。しょうがは薄切りする。
- フライパンに梅干しとしょうがを入れ、醤油・酒・砂糖、分量の水を合わせて注ぎ中央にかける。
- 煮汁が煮立ったらイワシを頭と尾を互い違いになるように並べて入れる。
- 水でぬらしたキッチンペーパーをかぶせる。(ペーパーは材料に密着させるようにして)
- 蓋を少しだけずらしてかぶせ中火で煮る。(蓋を少しずらせることで生臭さをカバーできる)煮立ったら弱火にして15分煮る。
- イワシがプリッとなり、煮汁が半量くらいになったら完成。梅干し・しょうがも一緒に盛る。
材料(4人分)
イワシ 4尾 大根 400g 昆布 玉ねぎ 1/4個 人参 50g
酒 大さじ2 しょうが 小さじ1 せり・ねぎ 塩 小さじ2/3
A卵 1/3個 豆腐 みりん 大さじ1 味噌 小さじ2 薄口醤油
塩 七味唐辛子 小麦粉・片栗粉 大さじ3
作り方:
- 魚のうろこを取り洗い落とす。
- 頭と内臓を一緒にちぎり取り、腹ヒレも取る。親指を中骨に沿っていれ、開く。中骨は尾の付け根で折り、頭の方に引いて外し、背ビレと尾を取る。肩から皮をむき流水できれいに洗い水気を拭く。
- 細かく切ってから包丁の刃先でたたき、身が柔らかくなると、玉ねぎ・しょうが(みじん切り又はすりおろす)を加えてたたく。Aを混ぜ合わせ、すり鉢でなめらかにする。
- 鍋に昆布・大根・人参と水6カップを入れ火にかける。煮立つと昆布を取り出す。アクを取り中火で煮る。
- 野菜に火が通れば、塩・みりんを入れぶつぶつしてくると、水で濡らしたスプーンで3.のイワシを一口大にすくって入れる。つみれが浮いてくると中まで火を通す。薄口醤油で味を調え、せりを入れさっと煮る。
- 器に盛って七味唐辛子を入れる。
~ 氷魚(ひうお) ~
氷魚は、ヒウオともヒオとも言われる。氷のごとく薄く透き通る魚で、成長した鮎のような臭みも苦みもなく、食べると氷が解けるような・・・はかなさが好まれる。
エリが2月に解禁され3月頃まで川魚店にありますが、天候により漁のできない日もあり、頼んでおかないとなかなか手に入りません。
新鮮なヒオをすき焼き風に煮るとおいしい。又、手軽には釜揚げヒオを2杯酢で頂くのも良し。琵琶湖近くに住んでいるから楽しめる冬の味です。
旬の短い氷魚、しかも命の短い氷魚
琵琶湖の近くに住んでいればこそ味わえる氷魚です。
材料
米 カップ3
小鮎(ひお) 200g
人参 50g
ごぼう 40g
干し椎茸 2枚
油揚げ 1/2枚
青ネギ 20g
A
醤油 大さじ2~3
酒 大さじ2
塩 小さじ1/2
みりん 小さじ1
作り方:
- 氷魚はザルに入れ、水で振り洗いして水を切る(魚は優しく扱う)
- 米は洗って水切りする。(30分)
- ゴボウはささがきし、酢水に浸ける。水に戻した椎茸と人参を短冊に切る。あげは熱湯をさっとかけて油抜きし細く切る。ネギは小口切り。
- 釜に米とAの調味料と水を加え、よく水切りした3.と1.を入れ普通に炊く。むらして小口切りの青ネギを混ぜる。
※氷魚は壊れやすいので、混ぜる前に魚を少し取り置き、盛りつけてから上に飾りおくと美しく仕上がる。
材料
氷魚(生) 300g
塩 小さじ1
酢 100ml
砂糖 30g
醤油 20ml
土生姜 適宜
作り方:
- たっぷりの水を鍋にかけ、沸騰させて塩を入れて、氷魚をパラパラと入れる。色が変わればすぐにザルに上げさます。
- 甘酢を作り1.にかける。 好みにより土生姜の絞り汁をかけてもおいしい。
材料
切り干し大根 70g(1袋)
ちくわ 1本
人参 90g
油揚げ 1/2枚
薄口醤油
砂糖
サラダ油
だし汁
(好みで里いもを入れてもおいしい)
作り方:
- よく洗った切り干し大根をぬるま湯に浸けて柔らかくする。戻してから適当に切る(戻しすぎると風味が無くなるので注意)
- 人参は3cmぐらいの短冊切り。あげは油抜きして短冊に切る。ちくわは縦半分に切り薄切り。
- 1.の大根の水気をしぼってサラダ油で炒め、ひたひたの水で軟らかくなるまで煮る
- だし汁に、ちくわ、人参、油揚げなどの具を入れて、薄口醤油・砂糖などで好みの味をつけ煮含める。
冬の寒の頃、大根の皮をむき細く切る。網の上に干し、冬の風に当てて乾かす。
1週間ほど天日にあててよく乾いたら、ビニールの袋に入れて冷蔵庫で保存する。
大根がたくさんあったら、切り干し大根にして保存しておくと大変便利です。
-
切り干し大根のうまみを逃がさないように、戻し時間に注意しましょう。
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切り干し大根は水の中で、もむようにしてきれいに洗い水気を絞る。
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たっぷりの新しい水に30分間ほで浸して戻す。
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あまり長時間漬けておくと、甘みと風味が損なわれるので注意!
~すし飯~
材料(4本分)
米 4カップ
昆布 10センチ
水 4と1/2カップ
すし海苔 4枚 ・紅ショウガ
合わせ酢
米酢 1/2カップ
砂糖 大さじ4
塩 小さじ2
(おばあちゃんの分量)
米 1升
水 1升弱
合わせ酢
酢 1、2合
砂糖 250~300g
塩 40g
酒 少々
昆布 少々
作り方:
- 米は洗って、ザルに上げ30分ほどおく。
- 1.の米と分量の水と昆布を入れて普通に炊く。
- 寿司酢の調味料を合わせて、砂糖が溶ける程度に温める。
- 炊きあがったご飯を飯器に写す。あら熱を取る。
- 3.の合わせ酢をご飯の上から振り切るようにさっくりと混ぜる。うちわであおぎ、ご飯につやを出す。布巾を掛けて、すし飯が乾かないようにしておく。
~干し椎茸の含め煮~
材料
干し椎茸 5枚(20g)
砂糖 大さじ1
醤油 大さじ1
みりん 小さじ1
作り方:
- 干し椎茸を水で洗い水に浸す。
- 椎茸の石づきをとり、戻し汁を入れひたひたにして火にかける。アクを取りながら中火で軟らかくなるまで煮る。調味料を入れ煮汁が無くなるまでに含める。最後にみりんを入れ、照りを出す。太めの千切りにする。
~かんぴょうの含め煮~
材料
かんぴょう 30g
だし汁 2カップ
砂糖 大さじ4
醤油 大さじ3
みりん 小さじ2
作り方:
- かんぴょうは水で洗い、塩を振ってもみ洗いをする。水で洗い、ぬるま湯に浸けてもどす。
- よく洗い、水気を絞って鍋に入れ、水をかぶるくらい入れて(爪で切れるくらいまで)茹でる。ザルに上げて水気を絞る。
- 鍋にだし汁と砂糖、醤油を入れ煮立ててからかんぴょうをいれ落とし蓋をして煮汁がほとんど無くなるまで煮て最後にみりんで照りを出す。
~凍り豆腐の煮含め~
材料
凍り豆腐 4枚
だし汁 4カップ
砂糖 大さじ4
塩 小さじ1
薄口醤油 小さじ1
みりん 大さじ1
作り方:
- バットに凍り豆腐を並べ70~80℃の湯を7カップくらいかけそのままおく。柔らかく戻ったら両手でしっかり搾る。
- 大きめの鍋に1.を並べ、だしと調味料を入れ一煮立ちしして、凍り豆腐をいれ10~15分弱火で煮る。火を止めてからもそのまま冷めるまでおく。
~卵巻き~
材料
卵 3個
だし汁 大さじ1
A
砂糖 大さじ2
塩 小さじ1
片栗粉 小さじ1
作り方:
- だし汁にAを溶かし割りほぐした卵に混ぜる。
- 卵焼き器を熱しサラダ油をひきなじませる。余分な油を拭き取り卵汁を玉しゃくし1杯ぐらい入れ半熟程度で三つ折りにする。1センチの厚さに焼く。冷めてから棒状に切る。
材料
・小豆 300g ・砂糖 350g ・塩 小さじ1/2
作り方:
- 小豆を洗い、小豆の4倍の水で火にかける。沸騰したら差し水をさし、再び沸騰したら湯を捨てる。(捨てることでアクを取る)
- 再度4倍の水で中火から弱火で柔らかくなるまでゆっくりと煮る。途中で砂糖を3回に分けて入れ最後に塩で加減して煮詰める。
*豆は胴切れするほど煮ておかないと、砂糖を入れたときに固くなってしまします。
~こしあんの作り方~
- 小豆あんの作り方から、柔らかく茹でた小豆を、ザル(こし網)にとる。ザルより大きめの容器(ボウル・鍋など)に、水を少し入れ、その中に1.のザルを入れて、すりこぎ等でつぶして行く。水の中にこしたあんが残るので、これを布袋に入れて水を軽くしぼる。 小豆が多い場合は、この行程を何度か繰り返す。
- 最後に生あんの入った布袋の口をしっかりくくり、堅くしぼる。(絞り方が弱いと煮るとき時間がかかるので、もう一枚きれいな布袋を作っておいて、袋ごと中に入れ脱水機にかけると便利)
- しぼった生あんを鍋に入れ、砂糖を入れて煮詰めていく。
*塩で甘みを加減する。
*こしあんの場合は 砂糖と豆は同量。
*つぶあんの場合は 砂糖を多い目にする。
材料
餅米 2カップ
うるち米 1カップ
つぶあん 800g
(小豆 300g)
ごま
きな粉 大さじ6
砂糖(きな粉用) 大さじ3
塩 少々
作り方:(あんを中に詰める場合)
- もち米とうるち米は1時間前には洗って水に浸けておき、普通に炊く。
- 砂糖を入れて煮詰めたあんは、包みやすいように丸くしておく。
- 1.が炊きあがれば、塩を加えて半分程度つぶれるくらいすりこぎでつぶす。熱いうちに手を、水にぬらしながら適当な大きさにちぎり手の上で平らにして、2.のあんを包み丸めて、3.のきな粉をまぶす。
- きな粉はバットに入れておく。砂糖は食べるときにかける。
*好みで黒ごまや青海苔も使ってください。
ぼた餅とおはぎの違いは?
彼岸には、春の彼岸と秋の彼岸があり、ぼた餅を好んで食べます。春の彼岸は、ボタンの花が咲く季節なのでボタンもち⇒ぼたもちといい。秋の彼岸は、萩の花の咲く季節で、お萩⇒おはぎと言うそうです。
材料
もち米 4と1/2カップ
うるち米 1/2カップ
小麦粉 15g
砂糖 35g
塩 小さじ1
よもぎ 180g
(茹でてしぼったもの、生なら 約350g)
重曹 少々
きな粉 適量
あずきあん 500g
*あんは、2カップの小豆を煮る(あんの作り方参照)
~よもぎのゆで方~
- よもぎの柔らかい葉の先を摘み、固い部分を取り除いてからきれいに洗う。
- たっぷりの沸騰した湯に重曹を加え、1.のよもぎを入れる。色が鮮やかなうちに水に入れ2時間程さらし、アクを抜く。
- 2.を堅くしぼり細かく刻む。又はすり鉢でする。
~草餅の作り方~
- もち米は、前日に洗って水に浸けておく。
- もち米を蒸して、塩と小麦粉をパラパラといれ、砂糖も入れてつく。
- よもぎを入れほぐしながら入れてつきまぜる。
- よくつけたら手水をつけながら、適当な大きさにちぎって皮を作り、中にあんを入れ、きな粉を振って器に並べる。
餅はすぐ固くなるので軟らかくするには・・・
- 片栗粉を水で溶き、煮て透明の葛状にする。(分量の目安は、2升に対して、カップ2杯ほど)
- 餅をついてよもぎを入れる時に一緒に入れる。
材料
餅米 カップ3(480g)
小豆 70~100g
塩 小さじ1
ごま
蒸し器・蒸し布
作り方:
- もち米を洗いザルにあげ水気を切る。
- 小豆はたっぷりの水を入れて火にかけ沸騰したらゆで汁を別の器に取っておく。小豆に新しい水を入れてゆでる。2~3回ゆで汁を取っておく。小豆は腹が割れない程度に茹でる。
- ゆで汁は熱い間に杓でくみ上げ、空気にさらす。
*何度も繰り返すと汁の色が濃くなる。 - ゆで汁が冷めたら1.の米を入れ一晩浸けておく。
- 蒸す1時間前に水を切り、その漬け汁は残しておく。
- 小豆に塩をまぶしておく。
- 蒸気の上がった蒸し器に蒸し布を敷き、もち米と小豆を混ぜて入れ強火で40分。途中で打ち水を2~3回する。(残しておいた漬け汁をかけて柔らかさをみる)
- 蒸し上がったら、すぐ、おひつ等に移し大きくまぜる。蓋をして3時間ほどおくとおいしい。
材料
塩押しなす
大豆(茹でておく)
砂糖
酒
みりん
だし・山椒・大豆
作り方:
- 塩漬けしたナスをけだし(塩抜き)する。水に浸ける→2~3回くらい水を替える。湯でゆがいて塩気を充分抜く。
- だしの素、砂糖、みりん、酒で味付けする。いったん冷めてからもう一度煮ると味がよくしみておいしくなる。
好みで、昆布・大豆を入れたり、最後に山椒を加えたりと昔の人の工夫があります。
~塩押しナスの作り方~
- 夏に収穫したナスを、へたを取り多めの塩で塩漬けしておく。
- 秋の終わり頃、塩漬けナスを取りだし、きれいに洗って米ぬかと塩を少し入れ漬け直しする。
- 食べる前に出し、塩抜きする(5~6時間程度?、ただし、塩の加減により加減すること)。
- 3.を適当に切り、たっぷりの水で柔らかく茹でる。これを「けだし」という。
懐かしいおふくろ(おばあちゃん)の味そのものの1品
夏の間に塩漬けしておいたナスを水につけて塩抜きしたナス 角切りした昆布・大豆と一緒に煮る
材料
シジミ(殻付き) 300g
水 カップ3
昆布 8㎝
味噌
ネギ 適宜
粉山椒 少々
作り方:
- シジミは一晩水につけ、殻をこすり合わせるようにしてよく洗い水気を切る。
- ネギは小口切り。
- 昆布を分量の水に入れ、具を入れて火にかける。貝が口を開き1~2分するとあくを取って味噌を溶き入れる。一煮立ちすると火を止める。
- 椀に盛ってからネギを散らし、粉山椒を添える。